ハープの奏法の一つに、ハーモニクス(フラジオレット)というものがあります。
弦の半分あたりを押さえることで、あたかも弦の長さが短くなったような状態にして、高い音を出す奏法です。この奏法で出す音は、通常の奏法で弾くよりも音質が柔らかく、音がポンポンと上品に跳ねるような音です。まるで真珠のような音色です。
ハーモニクスが印象的な一曲
パリシュ・アルバースのセレナーデは、印象的なハーモニクス奏法がふんだんに作中に現れる、名曲の一つです。きれいな映像をYouTubeで発見しましたのでご覧下さい。冒頭〜1:01、そして4:49〜5:38までの部分が、特にこの奏法を使用しているところです。
Elias Perish Alvars Serenade for harp.(YouTubeより)
ハーモニクスの奏法とは
一般的な弾き方は、右手は人差し指で弦を押さえ親指で弾きます。一方で、左手に関しては親指の付け根から手首に沿った手のひらの下のあたりで弦を押さえて、親指(たまに人差し指も)を使用して弾く方法です。演奏の際は、何よりも、押さえる位置について細心の注意が必要です。この位置を少しでもはずしてしまうと、中身のない弱々しい音になるばかりか、音が鳴らなくなる場合も多々あります。
ハーモニクスのコツ
弦の長さの半分の位置を押さえることが、基本になります。私は、下記の点にも注意して弾くようにしています。
- ♭は若干上、♯は若干下の位置
いくら連続で外しても、一つくらいはうまく音が出る場合があるはずです。そのうまくいった音を基準に、隣接する上下の音の押さえる位置を把握します。ナチュラルの音であれば、ほぼ水平の位置になりますし、♭であれば水平よりもやや上、♯はちょいと下、くらいと覚えておきます。
- 強めに弾く
強めに弾くと、ある程度ずれても大丈夫。なんとか弾ける場合も多いです。響かなくてもハーモニクスっぽい音になることもあります。特に左手ですが、二音のハーモニクスの場合は、結構強めに弾く必要があります。
- 他の音は弱めに弾く
ハーモニクスは、通常の奏法に比べて音が小さくなるため、他の音を強く弾いてしまうと埋もれてしまいます。ハーモニクスの異なる音質をより強く表現するために、他の音を弱く弾く、ということがとても大切だと思います。
〜番外編〜
- マジックで印をつける
弦に押さえる位置を、黒いマジックで印をつける方法です。正直、この方法が一番確実かと思います。ただしこの場合は、ペダル操作によって半音分、弦の長さが変わってしまったら、黒いマジックの位置とは少しズレた場所を押さえる必要が出てきます。また、借りた楽器を弾く際には、マジックの印はありませんから、大変です…。